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2. 病理
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恐怖病
(フィア・ディジーズ; Fear Disease) ; Code. VIS4/D

1. 序




  1. 恐怖病は, 精神分裂病 (統合失調症, 早発性痴呆) として論述される傾向にある.
  2. 恐怖病を含む精神病の詳細は, 「精神病」の項で詳述している.
  3. また, 精神病の単一病型としてある恐怖病は, 他の病型との共通項を持つため, ここでは, 恐怖病に於ける他の病型との差異についてのみ言及し, 共通項は, 「不安病」の項で詳述している.

  4. 恐怖病は, 「価値不全症候群/下位自律葛藤/食」に発現する精神疾患である.
  5. 価値不全症候群下位自律葛藤症状 (--域) である精神病は, 本能の不全による愛されない惧れとしての行動である.

  6. 価値不全症候群の各存在度 (図表)
    摂理調和怒り呪い惧れ; 根本情態性捕縛
    本能価値による理想心身症行動精神病精神病
    価値不全症候群では, 自然生物としての真の意味での理想状態を描くことができる.但し, それは情態的にであり言語的に表現できない.無意識主体性であるからである.少なくとも現時点までは, 本能的価値を押し潰されることもなく, 生育的にはまず順調であったが, 現在に於て家庭的に, あるいは社会的に本能的諸価値の不遇, 不満, 不良がある.「愛せない」という怒りを本能自身が受けて身体に様々な病変を起こす.「愛がない」という積年の思いがある.その無意識的な価値尺度は鬱屈しているが, 本能的な刹那的良, あるいは刹那的快を求めて行動することで, 愛がない代償とする.「愛されない」という本能的情態が過去から現在に亙って積重しており, その無意識的価値が不安, 絶望, 混沌, 恐怖の中で瓦解していく.この無意識的な主体理念が喪われゆくとともに, 主体性が崩壊す

  7. 精神病 (図表)
    本能価値病状病型
    集団不安病
    家族絶望病
    休息混沌病
    恐怖病

  8. 各症状症型の自生世界の価値観 (図表)
    症状症型自生世界の了解
    本能統覚型 (単純型) 自由の有, 自由の無, 根本情態性
    理性型 (解体型) 自由の有―自由の無
    主体統覚型 (緊張型) 自由の無―根本情態性
    主観型 (妄想型) 自由の有―根本情態性


2. 病理




  1. 食 (栄養) の本能は, 恐怖の根本情態性を発動して, 主体を食の自立・自律へと誘導する機能である (例: 捕食, 摂食, 金品の獲得) .
  2. この食の自律葛藤が解消されることで, 恐怖の情態は消失する.
  3. しかし, 食への自律が不可能である場合には, 恐怖 (感謝の欠如) の情態が重積していき, 心身症, 行動精神病, そして精神病の恐怖病を発現させていく.
  4. 恐怖病は, 恐怖の情態に主体が捕縛され, 「愛されない」「愛さなくともよい」との判断から生への自律が放棄され, 主体が崩壊していく疾患である.
  5. 発現には, 恐怖の情態を主体に了解させるあらゆる要因が関与する (その要因は, 所有的な抑圧かもしれない) .
  6. その恐怖は, 生育の過程で家庭や社会から齎される情態でもある.
  7. 文化的な何某 (例: 宗教, 哲学, 芸術, 娯楽) から食に対する恐怖を増強されて罹患に至る場合もある.
  8. ※ここでは, 「食」を食物の摂取のみに限定した概念として使用していない (モノ一般の獲得を指す) .

  9. 恐怖病は, 他の病型と比較して, 主体の崩壊, 及び妄想・幻覚の発現が顕著である (精神的な荒廃状態に至り易い) .
  10. 「自由の無―根本情態性」を自生世界とする恐怖病の主体統覚型では, 激越鬱 (緊張病性致死) による死亡が他の病型と比較して優位に高い.
  11. 価値不全症候群心身症 (例: 食欲不振) や行動精神病 (例: 浪費, 過食) が病前に確認される場合もあるが, 急性の恐怖病では殆ど確認されない.
  12. 恐怖病への転落を制止しているのは, 行動精神病自由拡張症候群である.
  13. 疾患者の自殺手段は, 凡そ絞首, 服薬, 餓死である.
  14. 疾患者には, 口腔, 食道を含む消化器に関係する疾患が発現している場合がある (例: 口腔炎, 胃下垂, 胃潰瘍, 潰瘍性大腸炎, 十二指腸潰瘍, 吐血, 局限性腸炎, 慢性膵炎, 糖尿病, 慢性肝炎, 腸管癒着, 周期性嘔吐) .

  15. 食への自律を困難とする社会では, 恐怖病が社会的な病理となる.
  16. アメリカ・インディアン社会に発現する文化結合症候群としてのウェンディゴは, 恐怖病を理解する上での好例と言える.
  17. ウェンディゴは, 貧困と飢餓によって発現する精神病の主体統覚型であり, 抑鬱的となった疾患者は, 精神を荒廃させて発話や日常生活に困難を来たし, 普段口にしない食物を摂食し, 姿の見えない人食い怪物のウェンディゴに話し掛けられたり身体を乗っ取られるなどと恐れ, 時に自殺する (疾患者は, 部族内で処刑される場合もある) .
  18. 恐怖病では, 発話に於ける言語構造が特に障害される.
  19. 未開社会では, 主体の崩壊に於ける思考吹入や自動行動などを悪霊の仕業と解釈する傾向にある.
  20. 先進国では, 凡そ貧困問題が解消されているので, 恐怖病がこのような原初的な形態で発現することは稀であり, 専ら自己の身体を無制限的に所有できない惧れとして発現しているようである.
  21. 母胎内で栄養失調を来たした胎児は, 恐怖病に罹患し易いと言える.


3. 妄想と幻覚




  1. 恐怖病の妄想と幻覚は, 食, 恐怖, 感謝, 所有に関係する内容となる.
  2. 治療者には, 疾患者がどのような対象をそのように判断しているかについての理解が必要となる.
  3. 例: 狼である私には全ての人間が美味そうに見える. あの娘を捕まえて骨にこびり付いた肉まで貪ろう.
  4. 例: 胃腸が干乾びて幾ら食べても吸収されない. 干乾びた胃腸が粉になって排泄される. 脳も一緒に溶け出しているようで記憶がなくなって思考できない. あのヤブ医者が処方した薬が原因だ. 臓器を取り除いた後に体を空気で膨らませて破裂させるつもりか?
  5. 例: イナゴに体を食い千切られて殺される. 疫病が蔓延して村人は餓死する. 神様への供物を減らした祟りだ. 私が人柱になって皆の罪を償っているのだ.
  6. 例: 私には祖父の莫大な遺産がある. しかしこれは皆に秘密にしている. というのも私が資産家の孫であると知るや, 彼らは私を殺してそれらを奪い取ろうとするからだ. 私がこのように貧しい身なりであるのも彼等の目を欺くためである.
  7. 例: 俺は宝籤で億万長者になった. おまえのために好きなものを何でも買ってやろう. 土地を買って邸宅を建てよう. 毎日が豪華な料理に囲まれて踊り暮らす楽しい生活となるだろう.
  8. 例: 俺を催眠術で眠らせた隙に重要な情報を盗んだ奴がいる. あの箱の中には俺が収集した重要な情報が入っていたのに. クソ, こうなる前にあの箱を信用できる奴に預けておくべきだった. こんなことをするのは役人ぐらいだ. 俺の持っていた情報が奴等にとっては不都合なものだったからだ. 俺は市庁舎に潜入して情報を奪還しなければならない. 重要な情報を奪われた俺は連中に消されるだけだからな.
  9. 例: 私は国家的な陰謀に巻き込まれて命を狙われている. キエフのスパイどもは, 私の保持する重要な機密文章を狙っている. 彼等は, 電波を私の頭に送り込んで, 私の記憶ごと情報を持ち去ろうとしている. 私が通院しているのは, この病院がその電波を遮ってくれるからだ. しかし, 外では, 彼等の尾行に悩まされている. 私は, 彼等との交戦のために日々の鍛錬を欠かさない. 武器の製造法は, インターネットで知った. 昨夜, 私の組織の上層部からテレパシーで敵のアジトを爆破するように言われ, 私は, ようやく彼等からの追跡から開放されると喜びこれを実行に移した. これが大使館を爆破した理由だが何か不可解な点はあるだろうか?
  10. 例: この病院の医者や看護婦は, 患者で人体実験を行なっている. 病室は彼等に殺害された者達の死体でいっぱいだ. こんな理不尽なことが許されて良いものだろうか? 私は, 彼等の正体を暴くべく訴訟を繰り返してきたが, 上の連中も彼等と癒着しているようでまともに取り合ってくれない. 彼等の病院を破壊することで, 非人道的な人体実験に終止符を打とう.
  11. 例: 孤独な宇宙はエントロピーを増大させて熱的死に向かっている. 太陽が冷えると人類も滅亡するだろう. 人間は自己が何も所有できなくなると考えることで, 資本の所有に纏わる闘争を繰り返すことになる. 私の愛は彼等の闘争によって踏み躙られた. この人類の滅亡と闘争を阻止するためには熱力学第二法則を覆さなければならない. 私達は何としても永遠に存続しなければならないのだ.
  12. 例: 「ありがとう」と唱えると魂が浄化されるのであります. 「ありがとう」の「あ」は「アマテラス」, 「り」は「リズミカル」, 「が」は「がんばって」, 「と」は接続詞で, 「う」は「うれしいな」であります. つまり「ありがとう」の中に宇宙的な調和の祈りが凝縮されているのであります. 「ありがとう」はアマテラスへの感謝の言葉であって, アマテラスは宇宙を遍く照らす太陽の神様であります.
  13. 例: コンクリートで囲まれた花壇に植えられた草木が苦しくて呻いていたので, 私が引き抜いて助けてやったら, 「ありがとう自然に死ねる」と言って枯れていった.


Date.2009.11.05 

コメントを読む



No1: 客人
恐怖症と言えば. . .
私, 極度の飛行機嫌いで年に1~2度は必ず乗らざるをえないワケですが初めは慣れるかなと思ったんだけど, 回数増す度に怖さも増します.
それが最近, 車まで怖くなってきて. どーしよう. . .
人の運転がもーホント怖くて怖くて, 泣きそうになるくらいなんです.
挙句の果てには恐怖のあまり手足は冷え痺れてくる始末で.
これ, 全く理解のない友人たちには『なんでな~ん?』と普通に半笑いの驚き顔で聞かれるだけで, なんともかんんとも.
半ギレで『何で?と聞く人には説明したって一生わからないよ』と返すのが精一杯.
車と飛行機に対する恐怖心が純情じゃないと人に言われるのですが.
なんとかならないものか・・・
決して全く乗れないわけではないんですけど, 怖さのあまり異常な心拍数, に対してそこにまた新たな不安がプラスして自分の体と精神状態のこの先が不安です.
コメントずれちゃったかな…?すみません.

No2: 管理人
恐怖病と恐怖症は, 全く異なった精神疾患で, 前者は精神病, 後者は神経症です.
乗り物による恐怖は, 「場所恐怖」の記事を参照されると良いものと思います.

No3: 客人
私の子供{31歳}は, 幻聴が聞こえ医師によって統合失調症といわれています. その上, アトピー性皮膚炎を10年以上にわたって患い, 更に視力の低下も甚だしく将来の見えない毎日を送っています. 夢も希望もない人生だと嘆いています. 生まれてこなければ良かったとも言っています. 親としてもどうして良いのやら日々苦しい毎日を過ごしています. 医者にはかかっているのですが, その薬も効いているものやらそうでないのか?疑問です.
情緒も不安定でその対応に悩む毎日です.
直るものなら早く直してやりたいのですが.
高校2年の時に発症し今に至っています. どうすればよいでしょうか?

No4: 管理人
心因性の皮膚炎や視力低下また呼吸器系疾患などは, 翻弄的な混沌とした生活の中で休息感を欠如させていき発現に至る心身症の身体症状であり, 心理症状としては, 不眠や遊びなどの無欲が発現しているかもしれません.
また, 行動精神病(依存症)としての喫煙や飲酒などの症状を拗らせていることも予測できます.
であるならば, 精神病としての病型では, 統合失調症(恐怖病)ではなく, 非定型精神病(混沌病)が優位に発現しているとも考えられます.
発症までの生活がどのようであったかは文面から詳細に把握できませんが, お子さんには先ず神経症的な症状(例:強迫観念, 雑念恐怖)が観察されたはずです.
発症の契機となる出来事などに心当たりがあれば詳細に聞かせてください.
視力の低下は手術で復元できますが, その前に精神病や神経症の治療に徹底したほうが良いものと判断します.
現在の精神病性の症状も詳細に教えてください.

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