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衝動恐怖
強迫観念; (オブセッション; Obsession, アナンカストス; Anancastia) ; Code. FDS2/IVT/C

  1. アナンカストス (Anancastia) は, ギリシア語の「強制する (アナンカストス; Anankastos) 」に由来する.
  2. DSMでは, 強迫性障害の一症状として不完全恐怖, 雑念恐怖, 瑣事恐怖などと合わせて扱われている.

  3. 衝動恐怖は, 「自由損傷症候群/意志了解型/翻弄/上位自律葛藤」に発現する精神疾患である.
  4. 疾患者は, 翻弄に抵抗できない怒りの葛藤を感情的に表現する.
  5. 症状には, 刃物恐怖, 電車恐怖, 殺人恐怖, 放火恐怖, 文書恐怖, 涜神恐怖, 不貞恐怖, 背徳恐怖, 窃盗恐怖, 殺生恐怖, 毒物恐怖, 破損恐怖, 不幸恐怖, 精子恐怖, 責任不安などがある.

  6. 自由損傷症候群/運動表現型/翻弄/上位自律葛藤」を高率で発現させる.
  7. 根本情態性反応として, 意志了解型の「膀胱痛, 腎臓痛, 眼痛 (視神経, 眼筋) , 息が詰まりそうに込み上げてくる熱感, しゃっくり (横隔膜痙攣) , 膀胱痙縮, 呼吸促迫, 眼筋細動, 膀胱括約筋痙攣」などが発現する.

  8. 成人自由損傷症候群/意志了解型; 強迫神経症 (図表)
    上位自律葛藤症状中位自律葛藤症状下位自律葛藤症状
    権力自己視線 (正視) 恐怖, 自己臭恐怖, 発汗恐怖, 放屁恐怖, 震声恐怖, 頻尿恐怖, 醜貌恐怖, 醜形恐怖, 舞台恐怖, 長上恐怖, 異性恐怖, 対人緊張恐怖他者視線 (横視線) 恐怖, 他者臭恐怖, 赤面恐怖, 蒼面恐怖, 吃音恐怖, 排尿困難恐怖, 美貌恐怖, 美形恐怖, 会恐怖, 年下恐怖, 同性恐怖, 表情恐怖服う
    支配広場恐怖, 狭所恐怖, 方位恐怖, 乗物恐怖, 川恐怖, 地平線恐怖, 高所恐怖, 閉所恐怖, トンネル恐怖, 埋葬恐怖, 人ゴミ恐怖, 独居恐怖, 静座恐怖, 海恐怖洗浄強迫, 反復強迫, 確認強迫, 強迫儀式, 嘘恐怖, 放置恐怖, 開始恐怖, 終止恐怖, 手抜かり恐怖, 排便排尿強迫, 衣服不安, 不正確恐怖, 不眠恐怖循う
    翻弄刃物恐怖, 電車恐怖, 殺人恐怖, 放火恐怖, 文書恐怖, 涜神恐怖, 不貞恐怖, 背徳恐怖, 窃盗恐怖, 殺生恐怖, 毒物恐怖, 破損恐怖, 不幸恐怖, 精子恐怖, 責任不安人名恐怖, 看板恐怖, 回想恐怖, 注意強迫, 数恐怖, 計算症, 質問症, 文法恐怖, 穿鑿症, 疑問強迫随う
    所有殺され恐怖, 稲妻恐怖, 溺死恐怖, 災難恐怖, 焼死恐怖, 先鋭恐怖, 睡眠恐怖, 迷信恐怖, 虹恐怖, オーロラ恐怖, 事故恐怖不潔恐怖, 接触恐怖, 埃恐怖, 空気恐怖, 心臓神経症, 胃腸神経症, 梅毒恐怖, 頻回手術症, 痴呆恐怖, 脳疾患恐怖, 結核恐怖, 癌恐怖率う

    1. 権力型 ⇒ 全て対人恐怖.
    2. 支配型 ⇒ 上位は場所恐怖. 中位は不完全恐怖.
    3. 翻弄型 ⇒ 上位は強迫観念と衝動恐怖. 中位は雑念恐怖瑣事恐怖.
    4. 所有型 ⇒ 上位は終末恐怖. 中位は疾病恐怖 (心気症) .


  9. 衝動恐怖とは, ある特定の衝動的な観念に対する恐怖である (観念=思考の対象となる意識の内容) .
  10. 疾患者は, その衝動的な観念が自己の自由を抑圧していると判断してこれに抵抗する.
  11. その思考や観念は, 頻繁に意識を占有する衝動性のものであり, 意識的に抑圧することが極めて困難である (その思考が他の思考を著しく阻害する) .
  12. 疾患者は, 衝動的な観念が自己の意識によって生成されたものであると判断できるので, 主体崩壊時の思考吹入とは異なる (しかし, それに連なる症状である) .
  13. 恐怖の対象は, 疾患者に著しい心身的な苦痛を齎し, 日常の生活を困難とする (精神的な混乱, 発作などの自律神経症状を伴う) .
  14. 特定の観念 (例: 他者や自己への一過性の怒り) への恐怖は, 健常者であっても持ち得るが, 疾患者では, 恐怖の内容が明らかに不合理であり, 本人もこれに自覚的である (衝動的に発現して抑制が困難である) .
  15. 恐怖の確信は, 「良からぬ思考が現実化される」「衝動のままに行動してしまう」といったものである.
  16. 例えば, 危害を被ることに恐怖するならば, 危害を被った状況を衝動的に思考する (例: 中傷, 殺傷されるかもしれない) .
  17. また, 危害を加えることに恐怖するならば, 危害を加えた状況を衝動的に思考する (例: 中傷, 殺傷してしまうかもしれない) .
  18. 魚の骨に恐怖するならば, 魚をして骨が刺さった状況を衝動的に思考する.
  19. 性器を切り取られることに恐怖するならば, 性器を切り取られた状況を衝動的に思考する.
  20. 自殺することを恐怖するならば, 電車に撥ねられたり屋上から飛び降りた状況を衝動的に思考する.
  21. つまり, ある観念が衝動的に生成される背景には, その観念が現実化されることへの微弱な確信がある.
  22. 例えば, 扶養者に虐待されて育った主体は, 自分が子供を虐待している状況を衝動的に思考する場合がある.
  23. この背景には, 「虐待してはならないが, 虐待してしまうかもしれない」といった虐待が現実化されることへの微弱な確信と恐怖があり, 主体は, この衝動的な観念に抵抗したいができない.
  24. 「虐待したい」という積極的な現実化の欲求が意識的に抑圧されている場合もある (~したいができない状態) .
  25. しかし, 他の恐怖症と同様に, これらの因果的な関係性は非常に曖昧となっており, 理由がよく解らないまま衝動的な観念に恐怖している場合が多い.
  26. 倒錯症候群を複合することで, 観念の内容が反社会的なものとなる (例: 暴走行為や猥褻行為が衝動的に空想される) .
  27. 公共の場で銃を乱射したり卑猥な言葉を大声で叫ぶ, 身体を切断したり臓器を抉り出す, などの過激な衝動に駆られる場合もあり, 精神病や覚醒剤の使用による主体崩壊時には, 衝動的な観念を抑制できずに行動的に現実化してしまう場合がある.

  28. 衝動恐怖に該当する恐怖の対象また状況:
  29. 加害 (罪恥を犯す) : 虐待, 殺傷, 殺生, 不貞, 背徳, 涜神, 窃盗, 放火, 痴漢, 破損, 責任
  30. 被害: 刃物, 毒物, 電車, 不幸, 精子欠乏


Date.2009.10.14 

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